韓国料理の基本の構成
韓国の食事は、ご飯と汁物やチゲを中心に、何種類ものおかずを並べるのが基本です。おかずはナムル、キムチ、炒め物、煮物と調理法がさまざまで、食堂では注文した料理と一緒に基本のおかずが自動的に出てくることが多いです。日本の定食に近い発想ですが、おかずの品数が多く、みんなで分け合う点が違います。味の土台となる調味料は大きく四つ。唐辛子粉とコチュジャンが辛さと赤い色を、テンジャン(韓国味噌)が香ばしさを、醤油が塩気とうま味を担います。そこににんにく、ねぎ、ごま油がほぼすべての料理に加わり、韓国料理らしい香りはこの組み合わせから生まれます。
最初に食べやすい代表料理
辛さに自信がなければ、まずは次の料理から始めると失敗が少なくて済みます。多くは醤油やだしの味が中心で、辛いたれは別添えのことがよくあります。
- プルコギ:醤油だれに漬けた薄切り牛肉を焼いた料理
- ビビンバ:ご飯にナムルや肉、卵をのせた料理。コチュジャンの量は自分で調整する
- キンパ:ご飯と具をのりで巻いて切ったもの。日本の巻き寿司と違い酢飯ではなく、ごま油の風味
- 参鶏湯・ソルロンタン:白いスープの料理。塩で自分好みに味を付ける
- チャプチェ:春雨を野菜や肉と醤油で炒めた料理
辛さを見分けるコツ
料理名だけで辛さが分からないときは、色と名前に含まれる言葉を見ます。スープやたれが赤ければたいてい辛く、名前に「オルクン」「メウン」「プル(火)」が入っていれば確実に辛い料理です。反対に澄んだスープや醤油色のたれは穏やかな味です。ただしキムチはほぼどの食卓にも出ますし、辛くない料理でも唐辛子が一切れ浮いていることがあります。日本のカレーの「辛口」「甘口」のような統一基準はなく、同じ料理でも店によって辛さがかなり違うので、初めての店では店員に聞くのが一番確実です。
- 穏やか:プルコギ、カルビ、チャプチェ、ソルロンタン、参鶏湯、キンパ
- 中くらい:キムチチゲ、テンジャンチゲ、タッカルビ、豚肉の辛炒め
- 辛い:トッポッキ、チャンポン、テナガダコ炒め、辛い鶏の煮込み
辛さを言葉で調整する
注文のときにひと言添えれば、辛さを調整してくれる店は少なくありません。作り置きの料理は調整できないこともあるので、無理だと言われたら別のメニューを選べば大丈夫です。韓国のチャンポンは日本の長崎ちゃんぽんとは別物の真っ赤な辛い麺なので、名前に油断しないようにしましょう。辛さで口がしびれたら、水よりもご飯や牛乳、茶碗蒸しに似たケランチムのような柔らかい料理のほうが効きます。
- マニ メウォヨ?:「すごく辛いですか?」
- トル メプケ ヘ ジュセヨ:「辛さ控えめでお願いします」
- アン メプケ ヘ ジュセヨ:「辛くしないでください」
- コチュヌン ペ ジュセヨ:「唐辛子は抜いてください」
料理ごとの食べ方
ビビンバはスプーンでご飯と具をしっかり混ぜてから食べます。石鍋で出てきたら、底にできるおこげまで楽しむ人が多いです。ソルロンタンやコムタンはほとんど味が付いていない状態で出てくるので、卓上の塩とねぎで好みに整え、カクテキの汁を少し入れる人もいます。日本のラーメンのように最初から完成した味ではなく、自分で仕上げる料理だと考えると分かりやすいでしょう。冷麺は酢とからしをお好みで入れ、麺が長いのではさみで切ってもらうのもごく普通です。トッポッキの店ではおでんのスープを一緒に出してくれることが多く、辛さを和らげるのにぴったりです。
食堂での注文の仕方
韓国の食堂は一、二品だけを専門にする店が多く、看板の料理名がそのままメニューです。焼肉や鍋料理は二人前から注文を受ける店がよくあるので、一人なら先に確認しましょう。ご飯が付かない料理には、別にご飯を追加注文します。基本のおかずは頼めばおかわりできる店が多く、水やおかずをセルフで取るコーナーを置く店もあります。卓上に呼び出しボタンがあれば押し、なければ「チョギヨ」と声をかければ店員が来てくれます。日本のように「すみません」と軽く手を挙げる感覚で問題ありません。
- 一人のときは一人前で頼めるか先に聞く
- ご飯が含まれるかメニューで確かめる
- 会計はたいてい帰りにレジで行う
菜食とアレルギーの注意
菜食の人は、見た目が野菜料理でも安心はできません。キムチには塩辛が入っていることが多く、チゲや汁物は煮干しや肉のだしを使うのが一般的です。精進料理にあたる寺院料理の店や、菜食の表示がある店が比較的確実な選択です。アレルギーがあるなら、注文前に「アレルギーがあります」と伝えて食材を指し示すか、韓国語で書いたメモを見せるのが安全です。ピーナッツ、甲殻類、大豆、小麦はたれや調味料に隠れていることがあります。食後にじんましんや息苦しさなどの症状が出たら、すぐに医療機関を受診してください。
屋台の味と季節の料理
市場や繁華街の屋台では、トッポッキ、スンデ(腸詰め)、おでん、天ぷらといった軽食が手軽に楽しめます。冬にはたい焼きによく似たフナの形のプンオパン、蜜入りのホットク、焼き芋が街に並びます。夏は冷たい冷麺や豆乳スープの麺コングクス、小豆入りのかき氷パッピンスが人気で、一番暑い時期にはあえて熱い参鶏湯で元気をつける風習があります。日本の土用の丑の日のうなぎに近い考え方です。季節料理はその時期だけ売る店が多いので、旅行の時期に合わせて探してみてください。
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